• murayama87

体験者インタビュー第23回「子供と一緒に動物を見て楽しみたいです!」

RETISSA🄬シリーズ(民生機器)(以下RETISSAと略す)のレーザ網膜投影技術をご体験いただいた方に、その感想を伺うインタビューシリーズ、第23回は岡島先生に再登場していただきます。

盲学校教諭の岡島先生は、RETISSA シリーズの開発当初からご協力くださっています。2021年1月15日の第2回体験者インタビューでは、「黒が黒に見える!」とコメントして下さいました。

 今回は、開発チームがRETISSASUPER CAPTUREの試作品をお持ちして、開発経過をご報告するとともに、お試しいただいて製品化に向けてのご意見をいただきました。


ご協力いただいた方


お名前:岡島様(50歳)

ご職業:盲学校教員

眼の状態:角膜混濁(スティーブンス・ジョンソン症候群)

ご体験いただいた製品:試作品RETISSA SUPER CAPTURE




―自己紹介(第2回体験者インタビューより抜粋)

 中学1年生のころ、スティーブンス・ジョンソン症候群という病気になりました。全身の皮膚が炎症を起こす病気で、眼の角膜も炎症を起こしました。その後、全身症状は回復したものの、後遺症として角膜混濁が残っている状態です。両眼とも視力が悪くて、右眼も左眼も0.02です。見え方が左右で違うため、両眼でもモノを見るのが難しいです。いまは右眼を使って生活しています。

 角膜の移植手術は左右2回ずつしています。付随する手術はここ2~3年だけでも4、5回はしていますよ。手術のたびに視力は一時的によくなるのですが、通常であれば移植した角膜の透明性は持続されるはずが、この病気は透明な状態が長く続かないんです。ある意味、はっきりとものをみたことは発病以来ないですね。


ここからこの度のインタビュー

開発チーム:今日お試しいただくのは、RETISSA SUPER CAPTUREです。既存の眼鏡型製品RETISSA  Displayについて当事者の方からの要望として、画角大きくして欲しい、ズーム機能が欲しいという声がありました。そこで、広い範囲が見えて強力なズーム機能がある市販のデジカメの機能をそのまま生かして、ファインダー部に網膜投影機器を付けたところ、皆さんにとても喜ばれました。製品化するにあたりご助言をいただきたいと思います。


岡島先生:ほうほうなるほど。かなり倍率が上がりますね。画角も広くなりましたね。これだけ広いといいですね。使い方は普通のデジカメと同じで、見え方は単眼鏡のような感じです。デジカメなので、ピントはオートフォーカスで、バッテリも全部入っているオールインワンということですね。これだけ画角が広ければ、見えなくなりつつある人も、「あっ」と言うと思います。

 見え方がスマホのカメラよりもいいので、たとえば旅行先で遠くを見るとか、景色をみんなと共有するとか、水族館や動物園で動いている生き物を見るなどというニーズがあると思います。私の子供はまだ小さいので、動物園などで生き物を見ることを一緒に楽しめたらいいなと思いました。スマホのカメラでは得られない価値を見出す製品を目指すのがいいと思います。

 自宅での文字の読み書きについては、拡大読書器にとって代わるのは難しいかもしれません。拡大読書機には据え置き型だけでなく、携帯型もありますし、読みながら両手を使えます。でも外に行った時のことを考えるとRETISSAが便利かもしれません。屋外だとまぶしいので、液晶画面が見えなくて困っている人は意外と多くいます。では単眼鏡ということになりますが、倍率に限りがあるのです。値段の問題もありますが、そういうニーズには食い込んでいけるのではないでしょうか?

 これは網膜症の人にも使えますか?中心部の網膜が残っている人の方が見えやすいですか?


開発チーム:網膜症の方の場合、網膜投影の網膜の周辺部にもピントが合うという特徴が生きると考えられます。中央の網膜が残っている人の方が相対的にはよく見えますが、黄斑部が欠損している場合や、中央が見えない場合でも、網膜投影なら網膜全体の端までピントが合うので、見える部分を探して、見つかったらそこで見るという見方ができると思います。


岡島先生:前眼部疾患より網膜疾患の人の方が圧倒的に多いので、そういう方々に使える物になると、必要とされる数がすごく増えると思います。網膜色素変性症には中央部の視力が残っている人が多いので、視野が狭くなっている人に「視野が広がった」という感触を得てもらえるのはいいと思います。

 そして、遠くの風景をきれいにみられることは重要です。外の風景を楽しみたいというニーズはかなりあると思います。家の中はみんな工夫しているのでできないことが実はない、意外と困ってないんですよね。それより、特別な体験旅行などの時にこういうものがあるといい。


開発チーム:製品化に向けての助言をお願いします。


岡島先生:視覚に障がいがあると持ち物が増えます。パソコン、スマホ、それぞれのバッテリのほかに単眼鏡や白杖も持ちます。ですから、ふたつ持つととても便利だが、1つでも我慢すればなんとかなるなら、多少不便でも我慢して一つで済ませます。そういう意味では、バッテリやコントローラーが一体化されることはいいことだと思います。

 素晴らしい機器でも、「視覚障がい者向け」といわれると手をひっこめたくなるものです。視覚障がい者が広くスマホを使っているのは、みんなが使っている機器だからなのです。ほかの人も使っている物なので、手に取りやすい。共生社会にきちんと入れます。視覚障がい者用というと視覚障がい者は買わなかったりもします。障がい者に特化した物でなく一般の方が使っていて、全員が使いやすいというコンセプトはとても大事です。「眼鏡がなくてもきれいに見えます。ちなみに視覚障がい者も使えています。」というような表現が、とてもうれしいものなのです。

 スマホのカメラ機能では不十分というニーズを、探していくのがいいかもしれません。そこに価値を見出す製品がいいと思います。近くで文字を見るときはスマホのカメラで撮影し拡大すれば済みますが、たとえば旅行先で遠くを見る、景色をみんなと共有する。水族館や動物園で動いている生き物を見るというときは、スマホよりくっきりはっきり見えるといいというニーズはあると思います。■

 スイッチの表示は見やすく○■△などがいいと思います。

 本盲学校には15人の生徒がいますが。これを使えそうな生徒が何人かいますので試したいです。旅行に行ったり、写真を撮ったりできると思います。


 RETISSA SUPER CAPTUREには、一眼レフで撮影するという特別感、ワクワク感があると思います。このワクワク感も大切です。障がいを克服する視点だけでなく、楽しいことの提案という視点は大事だと思います。視覚障がい者には、移動の問題、就労の問題、に加えて余暇の問題があります。楽しみが増えるということは非常に大きい。天体観測、日食の写真、動物園、水族館に行って写真を撮るという新しいアイデアを提案してワクワク感を醸し出してもらえるといいと思います。


開発チーム:ありがとうございました。


*このインタビューは2021年12月10日に行いました。

*個人の感想です。見え方には個人差があります。

*RETISSA SUPER CAPTRUEは医療機器ではありません。特定の疾患の治療や補助・視覚補正を意図するものではありません。

*網膜投影技術の詳しい仕組みはこちら:

https://www.qdlaser.com/applications/eyewear/


閲覧数:239回0件のコメント

最新記事

すべて表示