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体験者インタビュー第20回「楽して文字が読める!」

 RETISSAシリーズ(民生機器)の網膜投影技術をご体験いただいた方に、その感想を伺うインタビューシリーズ。第20回は、2014年の空手の全国大会で優勝し、現在はパラリンピック水泳への出場を目指している清水滉太様にRETISSA Display IIを1週間ご自宅でお使いいただき、お話を伺いました。


ご協力いただいた方

お名前:清水滉太様

所属:国士舘大学理工学部理工学科 

   一般社団法人 日本パラ水泳連盟

眼の状態:黄斑ジストロフィー

視力:両眼0.04から0.05



ご体験いただいた製品:RETISSA DisplayII





―自己紹介をお願いします。

 清水滉太、大学3年生です。国士舘大学理工学部理工学科(人間情報学系身体情報コース)で身体の仕組みや骨格などについて学んでいます。パラ水泳の選手です。

 水泳は3歳の時から始めました。小学1年生で空手を始め、水泳は体力づくりとして続けていました。空手は中2の時に全国大会で優勝しましたが、同じ年に体育の先生の薦めでパラ水泳の大会に出場したことがきっかけとなりパラ水泳を始めました。今は次のパラリンピックへの出場を目標にしています。


―眼の状態を教えて下さい。

 「黄斑ジストロフィー」と診断されています。

黄斑ジストロフィーとは、遺伝学的な原因によって網膜の黄斑部にゆっくりと障害が起き両眼の視力低下や視野異常を生じる病気の総称です。

 小学1年生のころからだんだん見えなくなり、4年生の時に急に視力が落ちました。近所の眼科を受診したところ大学病院を紹介され、「黄斑ジストロフィー」と診断されました。大学病院で、ロービジョン科の先生から「失明するかもしれない。」と診断され、私も母もとても動揺しましたが、その後精密検査で、進行性の視力低下、視野狭窄、色覚障害は出るが、失明の心配はないとの診断が出ました。個人差はあり、色が見分けにくくなる、線が歪むこともあると説明を受けました。

 小4の時の視力は0.1だったと思いますが、中2の時は 0.08でした。現在は、0.04から0.05の視力と低下してきています。空手をしているときに相手の攻撃が見えづらくなっていたことは、水泳への転向のきっかけの一つです。


―どんな支援機器を使っていますか?

 自宅では、小学4年の頃から、手元の文字を見るため拡大読書器・ルーペ・単眼鏡を使っています。ルーペは倍率を上げ8倍から10倍にしましたが、拡大読書器と単眼鏡はその当時のものを今も使用しています。大学に進学してからは、主にiPad、iPhone(11Pro Max)と拡大読書器を併用しています。例えば、冷凍食品の揚げ物の作り方などパックに印刷されている内容を見る時や、大学からの紙の資料も映して読んだりします。


 学校では5年生の時、一番前の席で眼鏡をかけても黒板が見えなくなったので、教室に遠くを見るためのカメラ付き拡大読書器を導入してもらいました。これは当時調布市として初めてのことだったと聞いています。中学校は盲学校だったので、教室に拡大読書器がありました。印刷物の文字は大きく、要望すれば白黒反転のプリントも作ってもらえました。

 大学の授業では、黒板、ホワイトボードの板書を、iPadで撮影してから見ます。パワーポイントを使われる先生には、事前にパワーポイントの資料を先生にお願いしていただいています。理工学部の事務局から、各先生方にこういう学生がいますと連絡をしてくださっているので、先生方はすぐにわかって対応して下さっています。


―不便なことはありますか?

 文字が読みにくいです。今大学のリモート授業は、専用の学習サイトを活用して小テストが行われますが、長い文章を読むのが大変です。また買い物の時には商品名が読めないので、スマートフォンのカメラで写してから見ています。フードコートの店名は見えてもメニューは読めないので、メニューを下調べしてから利用したり通信販売も活用したりしています。広い駅では案内板の文字が見えないので、乗り換えが分かりませんし、初めてのところでは駅員さんに聞くことが多いですが、それでも知らないうちに違うところに行ったりして、迷うことがあります。特に人の流れが多いと大変です。最近気づいたのは、壁に大きな文字で〇〇方面と書いてあるので、それを見つけて壁に沿っていくと目的地に行けることです。路線の表示が色分けしてあることが分かったので、目的の路線の色を覚えて移動しています。

 最近は白杖持たずに歩くことが多いです。路地から出て来た車が一時停止したとき、車の運転手の表情が見えないので、僕のことを認識してくれているかどうかわかりません。自分のことを待ってくれているのだと判断して、頭を下げて車の前を横切りますが、本当は怖いです。


―初めてRETISSA DisplayIIを試した時の感想を聞かせてください。

 普段近付いて無理して読んでいるような文字を、遠くからでも拡大してみることができるので、いつもより「楽して文字を読める。」と思いました。僕は中心暗点があって真ん中が見えないので、画面を見ながらかけるのが慣れるまで難しかったです。

―RETISSA Display IIをご自宅でお使いいただきました。どのようにお使いでしたか?

 自宅にいる間はできるだけ、いつも使っている機器を使わずにRETISSA Display IIを使うようにしました。大学の資料・以前撮影したウサギの写真・YouTube 等を見ました。


―見え方はいかがでしたか

 あらかじめ調整されていたので、自分で調整しなくてもすぐに使えましたし、1週間自分で調整することはありませんでした。見ている資料のページをめくると、RETISSA Display IIで映し出される画像は少し遅れるのですが、だんだん慣れて気にならなくなりました。

 いつもは対象にできるだけ近づいて、目を凝らすようにして見ていますが、これをかけているときは、すこし力を抜いて遠くを見る感じで見るのがいいとわかりました。しばらく使っていると網膜投影に慣れてきて、読むスピードがだんだん上がり、普段より疲れにくいと感じました。

 写真は細かいところまで見やすかったです。YouTubeの動画を見たときは、ちいさな映画館の画面を見ているような感覚でした。イヤホンで音を聞けば、ソファに座って映画なども鑑賞できると思います。


―RETISSA Display IIを他にどのようなシーンで使えると思いますか?大学の教室などで使えるでしょうか?

 大学の授業では動画を見せる先生がいらっしゃいますから、事前にリンクをもらっておけば、使える可能性があると思います。教室で使うなら、カメラ付きのRETISSAだともっと便利だと思います。授業中にアイウェアを使うことについて、教室で映像を映すときは室内を暗くするので、友達の視線は気にならないと思います。


―今後RETISSA Display IIに期待することはありますか。

 見え方には個人差がありますが、視野がもっと広くなれば使える人が多くなると思います。カメラが付いて、イヤホンでもブルートゥースでも音声が聞けて、コントロールボックスが必要なくなって眼鏡だけで操作できるようになれば良いと思います。アニメに出てくるスカウターという眼鏡が理想だと思っています。僕は商品に印刷されている文字を、スマホの機能を使って読むことが多いですが、スマホ使っても読めないという方はたくさんいます。カメラ付きにすればそういう人たちにとって便利だと思います。

 新しいものができたら、また呼んでください。


―ありがとうございました。


*このインタビューは2021年6月8日に行いました。

*個人の感想です。見え方には個人差があります。

*RETISSA Display IIは医療機器ではありません。特定の疾患の治療や補助・視覚補正を意図するものではありません。

*網膜投影技術の詳しい仕組みはこちら

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